台帳に記録はない。上映日も、制作年も、監督の名もわからない。ただ、缶の側面には小さく、こう記されていた。「僕たちの映画館」
失われていく場所で、まだ誰も知らないものを知ることには、きっと意味がある。そんな思いから、この幻のフィルムは最後に上映されることになった。
上映会に集まった、僕たち。スクリーンに映し出されるのは、いまとは少しだけ違う歴史をたどった、あの頃の世界。けれど、この映画は、ただ観るだけでは終わらない。
誰の声を信じるのか。どの場所へ向かうのか。どんな言葉を選ぶのか。あなたの選択が、物語の結末を変えていく。
まだ誰も見たことのない、もうひとつの世界線へ。
普段はTRPGのシナリオを書いたり、配信したりしていますが、たまに体験できる物語を考えたりもしています。
映画の中に入っても、どうせ大したことはできない気がしています。自分の人生すら自分が主人公だと思えていないのに、映画に入ったからって急に変われるわけがない。でも何かのきっかけになるような、物語を通じてようやく気付けることがあるんじゃないかと、主人公になるためのピースが落ちているんじゃないかと、そんなことを考えながらお話を作っています。